アイ・アム Shellyさん

アラサー男子。思考のアウトプットのため、日々の思いをつらつら。趣味は読書と洋裁。

読書感想#7 岡本太郎「今日の芸術」 背中を押してくれる言葉沢山

Im Shelly

 

こんにちは

いつも御覧頂きありがとうございます

 

今朝はたっぷり睡眠をとったので、少し元気です

かれこれ4か月ほど続けている朝散歩にも起きてすぐに行くことができました

毎日少しずつ変わっていきますね

 

さて、先日読んだ本について書きたいと思います

岡本太郎さんの「今日(こんにち)の芸術」です

神戸芦屋の古本屋でみつけて、妻が岡本太郎さんが大好きなので

興味があり購入。あと、僕自身美術鑑賞などは好きで有名な展示などがあれば

観に行くタイプなのですが、美術の見方についてはよくわかっていないので

いつも「すごいな~」だけで感想が終わってしまうので、

美術に対する取らえ方を知るためにも読んでみた。

 

現代美術とは作者の激しい意志と決意をもって、常識を否定し、新しいものを切り開いたもの。安心したり和んだりするのではなく、見たものを不安にさせ、駆け出したくさせるものがすばらしい。ゴッホなども生きた時代では新しすぎて現代のように評価されなかった。それは観客がその時代の常識を基準に見ていたにすぎないため。時代とともの評価基準が変わることで見やすいものに変わっていっているということ。

すぐれた芸術家はつねに前進して、新しいものへ挑みつづけている。決して立ち止まらない。

そのなかで岡本太郎さんは「芸」と「芸術」をしっかり区別して書かれています。

芸術とは創造であり、決して型をまねたり、二度同じことは繰り返さない永遠の創造。

芸はその反対、つねに古い形を受け継ぎ、それをみがきにみがきあげることで達成するもの。過去に執着するもの。

僕の好きな落語などはどちらかといえば「芸」に寄っています。ただ、そのなかでも新しいものをしている落語家さんの聴くと「芸術」性をそこに感じることができ、非常にしっくりきました。

 

「じっさい、自由な気持ちで描くというのは、たいへんむずかしいことです。ほんとうの自分の力だけで創造する、つまり、できあいのものにたよるのではなく、引き出してこなければならないものは、自分自身の精神そのものなのです。そこが芸術の根本」

 

「描けないというのは、描けないと思っているからにすぎないのです。うまく描かなければいけないとか、あるいは、きれいでなければ、などという先入観が、たとえ、でたらめを描くときにでも心のすみを垢のようにおおって不自由にしているからです。あるものが、ありのままに出るということ、まして、それを自分の力で積極的に押しだして表現しているならば、それはけっして恥ずかしいことではないはずです。」

 

岡本太郎さんは本書のなかで「今日の芸術とは、うまくあってはいけない」と書いています。それは、まねることや誰かの評価を気にすることで自分の本心にノイズが入り、型にはまったものしか表現できなくなる。もっと素直に、自由に、自分の精神や感情をぶつけなさいと言っているように感じます。芸術論だけでなく、生き方や考え方などにも読んでいて深く心に刺さる言葉が沢山ありました。

 

「今すぐに、鉛筆と紙を手にすればいいのです。なんでもいいから、まず描いてみる、これだけなのです。」

 

「下手なほうがいいのです。きたなかったら、なお結構。けっしてうまく描こうと考えてはなりません。」

 

「表現すること、せんじつめれば、ただこの”描くか・描かないか”だけです。もっと徹底した言い方をすれば、「自信をもつこと、決意すること」だけなんです。」

 

自分の思ったままに、結果を恐れず行動する。子供のころはそれができていた気がします。自分の親も比較的、好きなことを自由にさせてくれていた方だと思います。でも、今の自分を顧みるとどこかそういう気持ちで動けていないことに本を読んでハッと気が付かされました。僕は専門学校を卒業してから映像制作の仕事をしばらくしていた時期がありました。子供のころからバラエティ番組やお笑いが好きで自分もTV局などで携わる仕事がしたいと思い飛び込みました。でもそこでいっぱいミスするんですね。怒られたりも沢山しました。でも一番つらかったのは、プロの芸人さんや上司が面白いと考えていることが自分にはさっぱりわからないと感じたときなんです。「あ、僕って自分は面白いが共有できないやつ。だめなやつ」とそこで気づいたんです。そこから色々できないことに理由をつけだしたような気がして、「こんな自分が偉そうにしていいわけない」「しっかりやらなくちゃ」と周りをうかがうようになったきっかけだったのではと本を読んで思い出しました。

 

岡本太郎さんが書いているように「へたなほうがいい」「上手くしようと考えない」「ペンと紙を持って描け」とても僕の背中を前に押し出してくれる強い言葉であり、この本はとても前向きになれることが沢山書いてありました。

 

 

 

 

過去の読書感想

 

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